治療とフィットネスで
地域の健康づくりを促進

高校でアメリカンフットボールをはじめ、大学、さらには社会人まで続けましたが、子ども時代は特別スポーツ少年だったわけではないんです。アメフトも「アメフトて、かっこいいなぁ」という軽い気持ちで始めたくらい。自分でもこれほど長く続けられるとは思っていなかったですね。

13年間選手を続けられたのは、チームトレーナーやお世話になった柔道整復師の方のサポートがあったから。ですから、引退後に柔道整復師の資格を取ったのも自分としては、自然な流れでした。

その後、つじの整骨院を開院したのが、2008年。早いもので10年が経ちました。地域の方達の支えがあってのことですが、地域の健康づくりの一助を担っていると自負しています。

つじの整骨院の特色は、治療のみに特化せず、筋力トレーニングを推奨していることです。筋力トレーニングを始めたのは、治療をしていても思うような成果が感じられず、壁につきあたってしまったことがきっかけでした。ビジネスとして考えれば、患者さんに長く通院してもらうのはありがたいことでしょうけど、僕は無駄なことはしたくなかったし、患者さんにも成果を感じて欲しかったんです。だから「なぜ治療が進まないんだろう？」と考え、原因を追求しました。そこで気がついたのが、不調の根底にある筋力の低下の問題です。

筋力が低下していると、治療を重ねて一時的に症状が軽減しても、いずれまた同じ不調に悩まされることになります。そこで整骨院の治療に筋トレを取り入れようと、レッグプレスのマシンを導入したのが今のようなフィットネス型整骨院の始まりです。

まずは通ってくれていた患者さんに「筋力の低下があるので筋トレが必要です」とお話して筋トレに挑戦してもらいました。試してくれたのはごく普通の患者さんで、中にはネガティブな方や「年だから無理」という方もいましたが、体の現状を根気よく説明して、よくなるために運動が必要な事を理解してもらいました。

そうして治療の一環に筋トレを加えてみたら、膝が痛いからどこへも出かけたくないと言っていたおばあちゃんが杖なしで歩けるようになったり、足が痛いから家族旅行に参加できないと言っていた方が行けるようになったり、筋トレの手応えを感じました。

次にリハビリ型デイサービス「わかがえりセンターつじの」をオープンすることにしたのですが、当初は地域のケアマネージャーに話を聞いてもらっても「こんな運動は高齢者には無理！ケガしたら困る」と言われて相手にしてもらえなかったんです。でも、僕は実際に患者さんが元気になっていく姿を見ていたのでフィットネス型整骨院を続けることに迷いはありませんでした。

みなさん、誤解されていますが筋トレのマシンは軌道が決まっていて安定しているので自己流に運動するよりずっと安全で効果的なんです。「わかがえりセンターつじの」や「剛力フィットネス」では、さらに僕がチーフファシリテーターとして所属しているJHITAの高強度トレーニングというメソッドを実践しているのですが、これは個人個人の力を最大限に出してもらう安全なトレーニング方法。正しいトレーニングは関節への負担も少なく、短時間でも効果が現れるものなんです。

筋トレというとマニアックで一部のストイックな人だけのものというイメージがあると思いますが、健康的な生活を送るために、僕は全世代の人にフィットネスや筋トレが必要だと思っています。だからこそ、全然、運動をしたことがない人、自信ない人でもできるトレーニングを提供していきたいし、フィットネスがもっともっと身近なものになってほしい。年代に関係なく、ライフサイクルの中に筋トレを組み込んで、日常的に行えるようになれば生活の質も向上すると思っています。つじの整骨院が自身の体や健康と向き合うきっかけになれば嬉しいですね。